血液検査
血液検査
血液検査を行うことで肝機能・腎機能・血球検査、凝固能、血糖値、心不全マーカー、甲状腺機能、自己抗体検査、アレルギー検査、腫瘍マーカーなど様々な数値を調べることができます。医師が診察した結果、必要と判断した項目を調べることができます。基本的には検査会社に検査依頼をするため結果のご説明は後日となりますが、一部の項目については当日5~15分程度で院内検査することができ、当日中に結果をお伝えできるのが以下の項目となります。
血球検査
血球とは白血球・赤血球・血小板などの血液中の細胞成分のことで、特に白血球は感染症などの急性炎症を反映して上昇することが多い血球です。血球検査を当院の院内検査機器で調べることができます。感染症を疑ったり、急な貧血を疑う場合には院内検査とすることがあります。
CRP検査
CRP(C反応性蛋白)は、炎症や組織細胞の破壊が起こると血清中に増加するタンパク質で、炎症の指標として使用されています。炎症は多くの場合、感染症(特に細菌感染)で上昇しますが、心筋梗塞や関節リウマチなどの膠原病、腫瘍でも上昇します。また、CRP上昇をしていてもどこの臓器が原因かはわかりません。肺炎や細菌性腸炎など主に細菌感染を疑う場合に院内検査で測定します。また、この検査だけであれば指先からの採血で検査可能なため、採血が難しい小さいお子さまでも検査することが可能です。
血糖・HbA1C検査
糖尿病で毎月通院して血液検査をされている方(特にインスリン治療されている方)を対象に迅速検査をしています。当日中に結果が判明するため内服薬やインスリンの調整に役に立ちます。患者さん自身の糖尿病治療を頑張るモチベーション向上にもつながります。この検査だけであれば指先からの採血で検査することが可能です。
心筋トロポニンT定性検査
命に係わる病気である急性心筋梗塞や不安定狭心症などの急性冠症候群は迅速な診断と治療が不可欠です。胸痛などの胸部症状を訴える患者さんで心電図では急性冠症候群の診断がつかない場合にはこの検査を用いることで判断の一助になります。
レントゲン検査
胸部レントゲン検査
胸部レントゲン検査では、肺や心臓、大動脈などの形や大きさを確認できます。
心臓の肥大、心臓の形、肺動脈や肺静脈の太さや形、肺の異常、鬱血、大動脈の太さや形などを調べます。胸部や背部などに金属、プラスチック、絆創膏などを貼っていると、それらがレントゲンのX線に干渉し、正確な画像が撮影できなくなります。レントゲン撮影の際には、金属やプラスチックなどを外せる服装でご来院ください。
胸部X線のAI読影システムを導入
異常陰影の検出精度の向上を目的として、当院ではAIを活用した「胸部X線読影支援システム」を2024年夏より導入しました。これにより、医師のみで診断した場合と比較して、肺野異常陰影の検出率が9.95%向上することが確認されています。
最新のAI技術に、医師の豊富な経験・知識を組み合わせることで、より正確かつ迅速な診断が可能になります。それにより、患者さんに最適な医療を提供できると当院は考えています。今後もさらなる医療の質の向上を目指していきます。
腹部レントゲン検査
腹部レントゲン検査では、胃や大腸などの消化管とガス像や尿路結石などを確認できます。
腹部などに金属、プラスチック、絆創膏などを貼っていると、それらがレントゲンのX線に干渉し、正確な画像が撮影できなくなります。レントゲン撮影の際には、金属やプラスチックなどを外せる服装でご来院ください。
心電図・ABI・血圧測定検査
心電図検査
心臓に起こるわずかな電気的変化を記録する検査です。心臓の収縮と拡張、心臓に酸素や栄養を送る冠動脈の血流、心筋などに異常がないかを調べることができます。
運動直後は正確な心拍数を測定できないため、しばらく安静にしてから検査を行います。検査中は胸部・手首・足首にセンサーを装着するため、それらの部位を露出しやすい服装でご来院ください。
ホルター心電図(24時間心電図)検査
小さな電極を体にいくつか貼り24時間の心電図記録するものです。
ドキドキや胸の痛み、息切れやめまいなどの症状がある人を対象にこちらの検査をお勧めしています。検査を行うことで不整脈や狭心症などがわかります。
検査中も食事、携帯電話、仕事や車の運転など問題なくできます。シャワーやお風呂は入れませんのでご了承ください。また検査の取り付け・取り外しが必要なため当院に2日連続で来ていただく必要があります。
事前に御予約をお願いします。
ABI/CAVI
動脈硬化の病気の一つである、下肢閉塞性動脈硬化症(ASO,PAD,LEAD)の診断に必要となります。他にも血管の動脈硬化の目安にもなります。5分程度で終わる体の負担が非常に少ない検査です。
24時間血圧測定検査(ABPM)
携帯型の血圧計を装着して24時間血圧を測定して1日の血圧変動を調べることが可能です。24時間定期的に血圧測定することで血圧のばらつきや就寝中の血圧、起床前後での血圧変動を調べることができます。夜間も血圧を自動的に測定されるので熟睡できないのがこの検査の難点です。
事前に御予約をお願いします。
超音波検査
心臓超音波検査
超音波を照射して、反射してきた波(エコー)を画像化する検査です。リアルタイムで観察でき、心臓の形、弁の動きや血流までわかります。
被曝の心配がないため安全性が高く、痛みや不快感がないため、必要に応じて繰り返し検査を行うことができます。心筋梗塞、心臓肥大、弁膜症などの診断には不可欠な検査です。
腹部超音波
超音波を当てることで肝臓、膵臓、胆嚢、腎臓などの形や病気がわかります。患者さんに負担をかけずに重要なことがわかります。被爆の心配はなく、繰り返し行っても問題ない検査です。
頸部超音波
超音波で甲状腺や頸部の血管、耳下腺、リンパ節などの状態を調べます。また、頸部の血管の血流も調べられます。
感染症抗原検査
コロナ・インフルエンザ抗原検査
細い綿棒のようなもので鼻の奥から検体を採取してコロナやインフルエンザの抗原検査を行います。15分で結果がわかりますが、症状が出た直後や時間が経ちすぎてしまっている場合には本当は陽性でも陰性になってしまうこと(=偽陰性)があります。あくまでも補助的な診断であることから、症状や周囲の状況などで総合的に判断していきます。コロナ単独やインフルエンザ単独の抗原検査もあります。
溶連菌抗原検査
細い綿棒のようなもので喉の奥から検体を採取して溶連菌抗原検査を行うことができます。溶連菌と診断された場合には抗菌薬の十分な日数(基本的には10日間)投与が必要となります。
その他
簡易終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)検査
睡眠時無呼吸症候群の検査として簡易終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)検査を受けることができます。重度の睡眠時無呼吸症候群と診断された場合には当院でCPAP療法(経鼻持続陽圧呼吸療法)を導入することも可能です。
簡易PSG検査を受ける手順は以下の通りです。
- 医師の診察を受け、医師が検査の必要性を認めた場合には検査センターに当院より連絡します。
- 診察後、必要な書類に記載いただきます。
- 後日検査センターより連絡がありますので、検査日程をご相談ください。
- 自宅に検査機器が届きます。
- 検査が終了しましたら、検査機器を検査センターにお送りください。
- 検査結果を解析するのに1週間程度お時間をいただきます。
- 医師より結果説明がありますので当院までお越しください。
より簡易的な検査として終夜パルスオキシメータ測定も行うことが可能です。