桜木近くの循環器内科
循環器とは体の中を血液が循環するのにかかわる臓器、具体的には心臓や血管などを指します。これらの臓器に関わる病気を主に取り扱う診療科が循環器内科です。当院では内科全般に対応していますが、その中でも最も専門とするところがこの循環器内科となります。
循環器内科のよくある症状
循環器内科のよくある病気
高血圧
医療機関で測った場合、収縮期血圧140mmHg以上かつ拡張期血圧90mmHg以上を高血圧と定義します。ご自宅で測った場合、収縮期血圧135mmHg以上かつ拡張期血圧85mmHg以上を高血圧と定義します。ご自宅で計測した血圧を5mmHg低く設定しているのは、病院よりもリラックスしているため血圧が低くなりやすいためです。
様々な原因により血圧が高い状態が続くと動脈硬化を引き起こし、脳卒中や心筋梗塞などの病気を引き起こします。そうならないためにも高血圧の方は早期の治療介入が重要となります。
動脈硬化
心臓から送り出された血液を全身に運ぶ動脈は、酸素や栄養を運ぶ大切な役割を担っています。通常は弾力性がありしなやかですが、加齢や高血圧などの危険因子により、動脈の内膜が厚く硬くなってしまうことがあります。この変化を動脈硬化と呼びます。
動脈の内側が、血液中の悪玉(LDL)コレステロールなどが蓄積してできたプラークで詰まると、血管が狭くなり、臓器が酸素不足に陥り、狭心症や一過性脳虚血発作を引き起こします。プラークが破れて血管内に広がると、血栓が形成され、血管を塞いで急性心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすことがあります。
不整脈
心臓の拍動が不規則になり、通常とは異なるタイミングで心臓が鼓動する状態が不整脈です。
不整脈の中には、放置しても問題ないものもありますが、中には命に関わるものもあり、緊急の入院が必要になるものもあります。
不整脈は、弁膜症、虚血性心疾患、先天性心疾患、心不全などの心臓疾患によって引き起こされることがあります。また、遺伝的要因や肺の病気、甲状腺異常などの他、アルコール、ストレス、睡眠不足、疲労も不整脈の原因になります。
健康診断で脈に異常があると言われたり、動悸などの自覚症状がある場合は、なるべく早めに当院へご相談ください。
狭心症
狭心症には、運動時に胸が痛む「労作狭心症」と、安静時に胸が痛む「冠動脈痙攣狭心症」があります。労作狭心症は、動脈硬化により心臓の血管(冠動脈)が狭くなることが原因で、冠動脈CTや心臓カテーテル検査で診断します。治療は薬物療法が中心で、必要に応じてカテーテル治療や冠動脈バイパス手術が行われます。冠攣縮狭心症は、夜間や早朝に冠動脈が攣縮し胸が痛むもので、ホルター心電図や心臓CTで診断できることもありますが、確定診断には冠動脈造影検査の際にアセチルコリン負荷試験を行い、確定診断をつけることがほとんどです。冠攣縮性狭心症の原因は不明ですがアルコール多飲や喫煙、ストレス、化学物質が誘因となることがあり、生活改善の指導も行います。
心筋梗塞
心筋梗塞は、血液を心臓に送る血管(冠動脈)が急に詰まり、心筋(心臓の筋肉)が壊死する病気です。発症すると、強い胸の痛みや圧迫感に加えて吐き気や冷や汗を伴い、命にも関わることのある危険な病気です。
心筋梗塞の主な原因も動脈硬化であり、具体的には高血圧、糖尿病、喫煙、脂質異常症、加齢、家族歴などが挙げられます。
発症が突然であることが多く予測が難しい病気ですが、血管が狭くなる狭心症から進行することもあると言われています。
心筋梗塞と診断されたら多くの場合、緊急カテーテル検査・治療が行われます。胸の痛みが30分以上続く場合は、ためらわず救急車を呼んでください。
心不全
心不全とは、何らかの異常が原因で心臓のポンプ機能が低下し、全身に十分な血液を供給できなくなった状態です。心不全の原因となる病気は主に心筋梗塞、弁膜症、心筋症、高血圧症など多数あります。その他、息切れや足のむくみなどの症状も現れることがあります。最初は階段や坂道を上る時に息切れする程度で済むことも多いですが、進行すると少し歩くだけでもつらくなり、悪化すると安静にしていても症状が現れ、息苦しさのために眠れなくなることもあります
心臓弁膜症
心臓は右心房、右心室、左心房、左心室の4つの部屋に分かれています。それぞれの部屋の間には、血液の逆流を防ぐ弁があります。
心臓弁膜症とは、この弁がさまざまな原因により正常に機能しなくなる病気(狭窄・逆流)です。心不全を引き起こす原因にもなるため注意が必要な病気です。
心臓弁膜症を放置すると、心機能の低下や症状の進行に繋がります。症状としては、歩行時や登坂時の息切れが最も多く、その他に、倦怠感、失神、胸痛、めまいなどがあります。当院で心臓超音波検査を行うことで評価することが可能で、治療には薬物療法などの内科的治療だけでなく、場合によっては手術も行われます。手術が必要な場合、連携する医療機関をご紹介させていただきます。
深部静脈血栓症・肺血栓塞栓症
深部静脈血栓症とは、足の静脈に血栓ができて血管を塞ぐことで炎症を起こし、足に腫れや痛みを引き起こす病気です。エコノミークラス症候群とも呼ばれています。
足の静脈にできた血栓が剥がれて血流に乗り、それが肺の血管に詰まると、肺塞栓症という重篤な病気を引き起こすことがあります。
深部静脈血栓症の症状としては、片足のむくみや腫れ、ふくらはぎを押さえた時の痛みなどがあります。肺血栓塞栓症になると、動く時に呼吸が苦しくなったり、息切れがしたりするなどの症状が現れることがあります。
下肢閉塞性動脈硬化症
下肢閉塞性動脈硬化症は、足の血管が動脈硬化によって血流が悪くなる病気です。足に痛みやしびれなどの初期症状が現れ、進行すると安静にしていても痛むようになります。また、切り傷ややけどが治りにくく、壊死することもあります。
主に50代、60代の中高年層での発症が多く、高血圧、糖尿病、慢性腎臓病、喫煙など動脈硬化の危険因子を持つ方は発症しやすいと言われています。また、これらの病気を持つ方は狭心症や脳梗塞などの他の動脈硬化性疾患を併発していることが多いと考えられています。
心筋症
心筋症とは、何らかの原因で心筋自体に異常が生じ、心機能が衰える病気です。
拡張型心筋症は心筋症の中で最も多く、他に肥大型心筋症などがあります。
拡張型心筋症(DCM)
心筋の収縮性が低下し、左心室壁が薄くなって内容積が増加し、心臓のポンプ能力が衰える病気です。ポンプ機能が衰えることにより、動悸、息切れ、むくみ、倦怠感などの症状が現れます。
病気は徐々に進行しますが予後は不良で、うっ血性心不全や不整脈、血栓塞栓症などを引き起こしやすい病気です。基本的な治療は薬物治療となりますが、埋め込み型除細動器付きペースメーカー(ICD)留置が必要となったり、他の病気の鑑別が必要となることがあります。拡張型心筋症が疑われる場合には、当院にて適切に評価したうえで連携する医療機関をご紹介いたします。
肥大型心筋症(HCM)
肥大型心筋症(HCM)は、心筋の変性により左心室および左右心室の間の壁(心室中隔)が厚くなる病気です。
症状は胸痛、動悸、息切れ、めまい、失神などで、心不全や重篤な不整脈、拡張型心筋症を引き起こす可能性もあるので注意が必要です。
日常生活においては、激しい運動は避けることが重要です。
場合によっては、薬物療法、経皮カテーテル心筋アブレーション (PTSMA)、または心室中隔アブレーションが必要になります。
致死性不整脈のリスクが高い方には 植込み型除細動器付きペースメーカー(ICD)が推奨される場合があります。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が繰り返し停止する病気です。発症の主な原因は、気道を構成する組織の弛緩や脂肪の蓄積による気道の上部狭窄と考えられています。この病気にかかると、苦しそうないびきや夜間多尿が起こり、起床時の疲労感、頭痛、日中のひどい眠気などの症状が現れることもあります。放置しておくと重大な合併症を引き起こす可能性もあり、睡眠不足は集中力の低下や重大な事故に繋がることもあります。
近年はご自宅で簡単に検査ができるようになり、治療方法としてCPAP(持続陽圧呼吸)療法により睡眠時無呼吸症候群を抑えることが可能になりました。当院でも、睡眠時無呼吸症候群の検査(簡易終夜睡眠ポリグラフィー:PSG)やCPAPに対応した治療内容を提供しています。症状に心当たりがあればお気軽に当院へご相談ください。